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18 ◇フランチャイズで出店

Author: 設樂理沙
last update publish date: 2026-04-19 01:17:30

 だから大沢さんって人が成功を収めた話の中で、彼が成功した鍵を

捜そうと、気になるところを夫に質問することにした。

 頭に浮かぶ限りの質問を夫にしたあと、いろいろネットで調べながら

別の質問を夫にしてみた。

「フランチャイズで出店するのに2通りの選択肢があるみたいだけど

お金のない私たちはどちらの方法も無理があるんじゃないの?

 200万円~400万円くらいは必要らしいよ?」

「すぐに返済できるようになるから果歩に貸してもらいたい」

「無理よ、これからの生活のこともあるし。

 どっちにしても私だって100万円も持ってない。

 復職するまでお給料だって1円も出ないし」

「親父からいくらか入ってるんだろ?

 すぐに返せるからそこから貸してくれればいいじゃないか」

「お義父さんからいただいたお金は碧に残すためのものなの。

 だから、使うならお義父さんに相談しなきゃ」

「すぐに返すって言ってるじゃないか!

 親父に相談って……

夫のために出す金がそんなにおしいのか?

 ガッカリな女だな」

 ガッカリな女という言葉は、私の胸にズンと刺さるものがあった。

 あんたのどの口が言うのって。

 ガッ
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  • 『息をするように浮気を繰り返す夫を捨てることにしました』─ 醒めない夢 ─   37 ◇何かが足りない

     気がつくともう夕暮れ時になっていて、母のところでいい子にして私を待っている娘のことに思いを馳せた。 迎えに行かなくちゃ。 夜風に当たったら気持ちも少しは落ち着くかもしれない。 そんな私に娘のお迎えは、ちょうどいい気分転換になりそうだ。 迎えに行くと娘はうれしそうに私の側まで駆けて来た。「おかあしゃん、ばぁばンにコレ買ってもらった」 そう言って可愛いくまのプーさんを見せてきた。*「お母さん、ありがと」「こんなに喜んで貰えて私のほうがお礼言いたいくらいよっ」「ン、いつも碧のことありがと。じゃっ、また。帰るわ」 母の家を後にして、私は碧をバギーに乗せて帳の降りそうな空気の中を、歩いた。 風が冷たくて気持ち良かった。 遊び疲れたのか碧は寝てしまった。 気がつくと私はとぼとぼと歩を進め、近所の我が家の店とは違うコンビニに来ていた。 私はあれから一旦自宅に戻り、娘を迎えに家を出る際に、当座のお金や通帳など他にも家を出て行く場合に必要なものを鞄に入れていた。 夫が仲間と浮気していることを知った頃から、まさかに備えて家を出るとなった時には必要なものをいつでも持ち出せるよう、ひとつの袋にまとめていたのだ。 そんなだったから店に入ってからも、どうしようかどうしようかと、呪文のように心の中で知らず知らずのうちに呟いていた。 あまりに悲しくて理不尽なことをされる自分にも嫌気がさし、このまま家に帰らなくて済む方法はないだろうかなんて思い浮かべていた。  コンビニで娘にりんごジュースとプリンを、自分にも水分補給をとお茶を買ってレジに並んだ。 3番目だった。 私はぼーっと立ってたみたいで、どうぞ次の方という店員の声で我に返った。 娘はバギーの中で寝ていた。  レジを通って店の外に出た。 もうそこまで春が来そうな季節なのに夜風が冷たかった。 私は目の前の信号が青になったのを見ると何故か急いで渡らないとと思ってしまい、小走りにコンビニの敷地を走り横断歩道に出た。 歩き始めてすぐに何かが足りない、と思った。

  • 『息をするように浮気を繰り返す夫を捨てることにしました』─ 醒めない夢 ─   36 ◇地獄にお・ち・ろ

     悪さをしておきながらこの女はどうして私をなじってんのよ。 自分のしてることを棚に上げてよく言うわよ。 しかし、どうして仲間はこんな話を夫にではなく私にしているのか。   普通はまず付き合っている男に話すもんじゃないだろうか。 腑に落ちない。 どうして、どうして? 考えたけれど、答えは出なかった。  「あなたちょっと調子に乗りすぎなんじゃないの? あなたの婚約者に全部ぶちまけてもいいのよ? 」「いいですよぉ~~!じゃぁ私、婚約者との結婚止・め・て、あなたの旦那さんとヨリ戻して結婚するからン」「なっ……」「ほらっ、グーの音も出ない。 できもしないこと、言わないほうがいいですよ。 私がちょっと可愛く擦り寄ったらオーナーの気持ちなんてすぐ私の方に向くんだから。 私に無事結婚してもらわないと困るのは奥さんのほうでしょ? 」* 何を好き勝手言ってるのだろう、目の前の人でなしは。 私はもう何も聞きたくなかった。「あんたなんか、地獄に落ちればいいのよ。 地獄にお・ち・ろ。 バカ女! 」 考えてもなかった呪詛の言葉を女に吐き、私は店を出た。 何か後の方であのバカ女が叫んでたけど知ったこっちゃない……だわさ。 私は急ぎ足で家に向かった。 ははっ、お茶代も出さずに帰ってきちゃったよ。 いい気味。 夫の本心はどうであれ、あの日……私が仲間と別れてほしいと言った日、夫は別れると言った。 心はやさぐれていたものの、 信じたい信じようそしてやり直せるものなら心機一転やり直そうやり直してみたいという気持ちも少しばかり芽生えていたのに。 そんな小さな芽、気持ちが一辺で吹き飛んでしまった。 他所に……娘に異母兄弟ができるかもしれない? いや、あの女は産むなんて言ってなかったじゃない。 だけど夫ともし結婚するのなら、産むのかもしれない。 私の頭は混乱と怒りとで爆発しそうだった。 帰って来る夫に何と問い詰めようか。 子供のことを夫は知っているのか、まだ知らないのかさえも分からない現状でどんな風に話し合いをすればいいのか、更に私の混乱は広がった。 私をこんなにも苦しめる夫に嫌悪感が走る。 気持ち悪かった。 ただただ、気持ち悪かった。

  • 『息をするように浮気を繰り返す夫を捨てることにしました』─ 醒めない夢 ─   35 ◇信じられないわ

    「そんなこと急に言われても、はいそうですかって信じられないわ。 いくら何でも夫があなたとの子供を迂闊に作るなんて」  そこまで夫の頭のネジが緩んでるって思いたくない。 子供なんてできちゃったら、それこそ……それこそが、浮気のれっきとした動かしようのない証拠になるのよ? そんな事夫がするはず……ない……と思いたかった。 私はこの時かなり狼狽してしまったようで、後で考えるとどうしてあんなことを口走ってしまったのだろうというようなことを彼女に言ってしまったのだった。「ね、どうして私にそんなこと話すの? まずは夫に話すべきよね? 一体全体何考えてるの? 人の心を弄んで何がそんなに面白いの? 」「わっかりましたぁ~。 じゃっ、オーナーに言います。 きっとオーナー、子供のために私と結婚するって言うんじゃないかなぁ。 ……だと奥さんが気の毒だと思って奥さんへ先にお話持ってきたのに、奥さんったら私のこと悪く悪くとっちゃうんだものぉ、参るわぁ……ふふん~」 やっぱりね、妻というものは夫が外で子供を作るっていうのは、相当ダメージを受けるものなんだと目の前のオーナーの妻の様子を目の当たりにして仲間は強く実感した。 予想外にうろたえている果歩の姿を見て溜飲を下げつつある仲間は、もっと苛めたくなり、予定していなかった次の台詞を紡ぎ出した。 何だかあんな女垂らし野郎のことを、どこかで信じてる風なアイツの妻にすごく腹が立ったのだ。「えぇ、面白いですよ。 私を好きになってしまった旦那さんにずっと縋り付いてて哀れなもんよ! プライドってもんがない人間見てると虫唾が走るんです、私。 他の女を好きになって子作りまでしちゃった旦那と元サヤに納まって幸せごっこしてそれでほんとに幸せって言えるんですか? 旦那の嘘にまんまと乗せられて……あっ、違いました? ほんとは信じてないけど信じてる振りをして、きれいに元サヤに戻りたいのかしら? どっちにしても私、奥さん見てるとムカムカするんですよね」

  • 『息をするように浮気を繰り返す夫を捨てることにしました』─ 醒めない夢 ─   34 ◇妊娠したみたいなんですぅ

      遊ぶ相手なぞ、すぐに見付かるさ。 無意識に康文はそんな考えを持っていた。 なのであまり仲間に執着することもなかった。          ◇ ◇ ◇ ◇ 仲間の様子から見て、あまり良い話でないことだけは確かだ。 はて? 私に聞いてほしいという話とは一体どんな話なのだろう。 夫と別れてほしいとか? そして離婚してくれだとか? いろいろ想像逞しくしていた私に放った彼女の言葉は私の想像を遥かに超えていた。           ◇ ◇ ◇ ◇ 「どうしよう……あたし」 「……」  何さ、勿体つけて。  早く話なさいよ、私は元々あなたの話を聞きたくて ここへ来たわけじゃなし、勿体ぶんじゃないわよ。 こっちは暇じゃないのよ? イライラしちゃう!!  もじもじして悩む振りをしている仲間は次の言葉を放った。「あたしぃ~、妊娠したみたいなんですぅ。 生理不順だから気付くのが遅れてしまってぇ~。  実は私、近々婚約者との挙式を控えているので早くどうにかしないと。 万が一彼にバレたら、私お終いだわぁ」 メソメソした風を装いながらチラチラと私を見つつ絶望感漂わせて話す女。 ひっ、なにぃ~、何言ってるのこの子。 げっ……妊娠ってニンシンって今言いました?「病院へはひとりで行きますから、同意書にサインしてくれませんか? それに私お金がないので費用のほうもできればお願いしたいんです」「ちょっ……ちょっと待って。 それって、妊娠してるって確かなの?」 「病院で1度診てもらってますから100%確実です。 婚約者とは一度も婚前交渉してないから絶対オーナーとの子です」           ◇ ◇ ◇ ◇ いや、何と私の呑気なことよ。 普通は旦那が浮気をしたら一番に気になるところだったのかもしれないというのに、私の頭には全く一度も、浮かんだことがなかったのだ。 既婚者相手に浮気できるような女は皆チキン……もとい、鶏頭をつけているに違いないと思ってきたが、私の頭も大して変わりなかったかもしれない。 おお、私の鶏頭よ、驚くことなかれ……今更だ。

  • 『息をするように浮気を繰り返す夫を捨てることにしました』─ 醒めない夢 ─   33 ◇首が回らなくなる

      「何々、本気ってさぁ。結婚して……してしてって、言うんじゃないだろうな。ヤメテっ、オレッちには妻も子もいるんだよぉ? 」 「オーナー、今言ったこと本気? 私のこと好きじゃないんだ? 」  ヤバイと思った。  完璧彼女、スイッチ入っちまってる。「好きに決まってるだろ? じゃなきゃ、あんなにたくさん愛し合ったりできないじゃん。 変な方向に本気になるなよ。 今までどおり仲良くしようぜ。 次のバイトが見つかったら、また今まで通りだから少し我慢しよう、な? 」「ごまかさないで! 」 そう言って彼女は引かなかった。 俺のやさしい説得も徒労に終わりそうな気配。 次の手はどうすべっかな。「遊びじゃないって言うんなら、私と結婚してよ。 婚約者は捨てる、私、彼を捨てる。 捨ててオーナーと一緒になる」 流石の俺も不味いと思った。 彼女がただの独身者ならまだしも、結納も済ませた婚約者のいる身だぜ。  幼友達ってんだから親同士だって、普通の関係より長い年月をかけた深い付き合いに違いない。 そんな相手を他に男ができたからって今更約束事を反故にしてみろよ。 それがどういうことを招くのかこの女は全く分かってないのだろう。  俺だって相手に訴えられる可能性が大いにある。 この店が上手くいってない上に、法外な慰謝料なんて請求された日にゃ、俺の首が回らなくなる。 何の冗談だよ。 それにだ、婚約者がいるのにホイホイ他の男と遊べる女なんかと結婚できるかよ。 遊びが好きなクセになんで結婚持ち出すんだよまったく、意味不明だぜ。 結婚相手に頭の悪い女は絶対イ・ヤ・だっ。 仲間は自分が俺の妻から慰謝料請求されるなんて……そういう対象になるってことも全然分かってないのだろう。 遊ぶには可愛くて良かったが、結婚となると話は別だ。 康文は物腰は柔らかだったが、結局店の売り上げと彼女に婚約者がいることを理由に、仕事もろとも冷たくばっさりと彼女を打ち捨てた。 仲間友紀は毎日Love Love だった相手からこうも簡単に切り捨てられるとは夢にも思ってなかったようで、帰り際、涙を一杯溜めた目で康文を睨み付けバタバタと駆けて店を出て行った。 果歩が彼らの関係を心配しなくとも、あっさりとふたりの関係は終わっていたのだ。     

  • 『息をするように浮気を繰り返す夫を捨てることにしました』─ 醒めない夢 ─   32 ◇本気なんだから

       「ねえ、もうすぐ菅田《すだ》くん辞めちゃうでしょ?」 「あぁ。  大学の勉強が忙しくなるとか言ってたな。  けど、たぶんそういう理由じゃないわな。  ははっ。 あいつは真面目なヤツだからな、きっと俺たちのやってる ことを知っててヤ《嫌》になったんだろうよ。 俺がアイツの立場でもヤだね」 「そんなこと言ってぇ~。 そしたらまた私たち当分できないんだよ?  オーナーは私と仲良しできなくてもいいの? 」「いいことなくたって、店閉めて一日中盛ってる わけにもいかないだろうよ。 しばらく我慢しれっ!  次の人材をまた捜すから」 なんてことを仲間に言いながら、いくらなんでもなぁ、もういい加減 遊びもほどほどにして、少しは仕事に身を入れないとなぁ~などと、流石に 俺もちょっと店のことが気になりだしていた。  潰してしまっては、大変なことになる。  俺の未来は閉ざされたも同然だ。 踏ん張り時としては遅いくらいだが、なんとか今まだ店は持ちこたえて るのだし、ここは一念発起頑張らないとな。 そして、なんでここで? と思ったが果歩の顔が一瞬頭の中を 過《よ》ぎった。 ホントに不思議だった。  果歩が俺と別れられるはずがないと高を括っている俺だが、 その俺こそが果歩とはどんなことがあっても別れるという選択肢を 持ってないのかもしれないな、とそんなこともふと頭に浮かび、 そんなことが浮かんだことに妙に驚いた。  な……なんでこんな時にこんな事考えてるんだ? 俺は。  俺と仲間は品出しして棚に陳列しながら話していた。  「ねっ、さっきから何考えんの?  オーナーでも深刻に何かを考えることあるンだ?」「俺だってたまにはなぁ……って、大人をからかうんじゃない」「何よぉ~、私だって大人なんだからね。フン」「そだな、婚約者もいるんだもんな。  もう結婚もぼちぼちなんじゃないのか? バイトばっかしてていいのか?  そろそろ準備もあるだろう?」 「何で今そんな話すんの?  私はこんなにオーナーとのこと、考えてるのにぃ。  ねっ、私ねオーナーとこれからもずっと一緒にいたい」「う~んっン……俺もぉ~」 「ちゃかさないでっ! 本気なんだから」

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